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日々挑戦を続ける生産者の
皆様のパートナーとして
持続可能な農業に貢献し、
日本の農業を守る
私たちが生きていくために欠かせない農作物。なかでも、日本人の主食である米をはじめとした穀物を、おいしく安全に仕上げ、また生産者の皆様が効率良く作業できるようにするため、私たちは農業や精米に関連する機器の製造・販売を行っています。
※ ライスセンターとは、コンバイン等で収穫された生籾について、「荷受」から「乾燥」「籾摺(もみすり)」「選別」「出荷」まで一貫して行う乾燥調製施設です。穀物乾燥機・調製機器・出荷設備などで構成され、一連の作業を効率的に行うことができます。
山本製作所は1918年の創業時から、農業関連機器の製造・販売を行ってきました。特に、生産者の皆様が大切に作り上げた、米・麦・大豆・蕎麦などの穀物を収穫した後に行われる、乾燥調製や農産加工など「ポストハーベスト」と呼ばれるプロセスに役立つ、さまざまな機器・システムを提供しています。
なかでも、収穫した穀物の品質と貯蔵力向上のために使われる穀物乾燥機は、1984年以来、国内シェアの約3割を獲得(2024年現在)。長年培ってきた技術力により、主に乾燥調製工程において業務効率化・省力化に貢献する機器を数多く市場投入し、生産者の皆様や販売店様など多くの方々からご支持いただいています。
現在、わが国の農業は大きな転換期を迎えています。日本の農業を支える農業従事者は減少傾向が続いており、2022年は122.6万人と2000年の240万人に比べて約半分となっています。20年後の2042年には30万人にまで急減する見通しで、食糧生産を維持するためにこれまで以上の業務効率化・省力化が求められています。
私たちはこのニーズに対応するため、さらなる合理化の実現に力をいれています。例えば、業界で初めて穀物乾燥機にAI(人工知能)を搭載。これにより、乾燥する水分量の設定が主だった乾燥機が、仕上がりの時間を指定し高品質な乾燥調製をできるようになりました。また、スマートフォンやタブレットを使い遠隔でも作業状況を確認できる山本乾燥機遠隔確認システムも導入。私たちの技術が、農業現場の省力化・省人化をサポートしています。
農林水産省が公表したデータによると、日本の食料自給率はカロリーベースで38%(2022年時点)。半分以上の食糧を輸入に頼るという大変低い数値です。しかし、「食」は私たちが生きる上で欠かすことのできないもの。決しておろそかにすることはできません。地域農業を守る生産者様においては、規模拡大や麦・大豆等への転作に挑戦される方も多く、大量の穀物や複数の穀物を効率良く処理できる一連の設備が求められています。
そのため私たちは、一級建築士をはじめとした専門の設計担当が図面を作成し、お客様の要望に沿って一から施設を作り上げるライスセンター事業に注力しています。お客様の理想をかたちにしながら、生産性が高く環境に配慮したライスセンターを実現することが、地域の農業を守り、ひいては日本の農業を守ることにつながると考えているからです。私たちは、これまでに培ってきた生産者の皆様との繋がりを大切にし、「儲かる農業」「持続可能な農業」に貢献することで、日本の農業と食糧生産の未来を守ってまいります。
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米に関わる企業として、
収穫から白米の販売まで関わり、
日本の主食である“米”を守る。
生産者の皆様が大切に育てた米を、おいしく安全に仕上げて食卓に届ける役割を担う精米工場。
求められる品質は上がる一方、原価高騰や人材不足など取り巻く環境はさらに厳しさを増しています。
私たちは、精米工場が抱えるこれらの課題を解決するため、「低コスト・省エネ」「省人化・自動化」「品質の向上」に貢献する精米設備を提案しています。
生産者の皆様が大切に育てた「米」が、「ごはん」となり食卓に並ぶまでには、余分な糠(ぬか)を取り除く「精米」が必要になります。当社では、より豊かで多彩な食生活を実現するために、精米加工機器の開発・製造に取り組んできました。取り扱う機械は、小型の店頭精米機から、精米工場や農業法人で使用される大型のものまでさまざまで、スーパーの駐車場などに設置されているコイン精米機も手がけています。生産者の皆様が作った米を、消費者の皆様が安心・安全に、そしておいしく食べられるように、市場のニーズを捉えながら商品の研究開発に努めています。
開発以来、たくさんのお客様から支持を集めているのは、独自の技術「スパイラル・フロー・システム」を使ったタテ形精米機です。米を上から下に自然落下させて精米する技術で、これにより米にかかる負荷を軽減し、省エネルギーで高品質な精米を実現しました。
当社の精米機は、とても繊細に、糠(ぬか)を取り除き精米しています。精米をすると、取り除かれる糠(ぬか)の重さの分、目減りします。例えば上白米に精米したときには、元の玄米と比較し約90%の重さになります。これを「歩留まり」と言いますが、当社の精米機は、無駄な取り除きが少なく、歩留まりが良いとお客様から評価いただいています。これは、旨味成分を残すことでもあり、食味の向上にも繋がっています。無駄を軽減し、生産者の方々が大切に手塩にかけて育てた米を余すところなくおいしくいただけるのが、当社の精米技術です。
「売り手」である生産者・集荷業者における販路の多様化や、「買い手」である小売・外食事業者の価格交渉力が強くなっていることから、多くの精米工場の収益性は低水準となっています。また、昨今の人材不足や働き方改⾰の要請、HACCPの完全義務化等、取り巻く環境はさらに厳しさを増しています。
これらの課題を解決するために、「低コスト・省エネ」「省人化・自動化」「品質の向上」に貢献する精米加工関連機器の開発および精米工場のプランニングに取り組んでいくことが私たちの使命です。
「米」は日本人にとって最も身近な食べ物。「ごはん」となり食卓に届くまで、当社がこれまでに培ってきた技術で、農業だけでなく精米の分野からもアプローチし、日本の主食である“米”を守ります。
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技術職R.M.2018年入社ソリューション事業部 技術部 調製グループ
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食糧生産を支える
地球環境の改善に貢献し
持続可能な社会を実現する
SDGsの普及や、地球温暖化など環境問題への意識の高まりを受け、企業においては事業を通じて収益を得ると同時に社会課題の解決にも貢献することが求められています。当社は循環型社会の構築を目指し、プラスチックリサイクルを促進する各種機器や、バイオマスエネルギーを活用した木質ペレットストーブの開発・製造を行い、ものづくりの側面から環境問題の解決に取り組んでいます。
農業関連機器の開発・製造のノウハウを生かし、当社は平成の始まりとともに環境分野に着手しました。この環境関連機器事業は、循環型社会の実現を目指した「リサイクル分野」と、地球温暖化防止を目的とした「バイオマスエネルギー分野」の大きく二つに分かれています。
「リサイクル分野」では、1990年に発泡スチロール減容機「ハイメルター」を発表しました。この商品は、卸売市場やスーパー、工場などで不要になった発泡スチロールに熱を加え、容積を50分の1まで減容する機械です。減容および板状に成型された発泡スチロールの溶解物は「インゴット」と呼ばれ、文具や額縁などプラスチック製品の原料に使用されています。
なお、一口にプラスチックと言ってもポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンなど様々な種類があり、材質ごとに分けなければリサイクルすることはできません。しかし、多くのリサイクル現場では、プラスチックの材質判別について、手ざわり・弾力・匂い・燃え方などベテランの経験則に頼らざるを得ないというのが実情でした。この材質判別業務を、誰でも・簡単に・同じ基準で行うことを可能にしたのが、2020年に発表されたプラスチック材質判別装置「ぷらしる」です。当社は、「ぷらしる」の普及を通してリサイクル現場の課題を解決し、リサイクルされるプラスチックを増やすことで、国内マテリアルリサイクル率の向上を目指しています。
「バイオマスエネルギー分野」では、間伐材や製材端材を利用して作られた木質ペレットを燃料とする、木質ペレットストーブの開発・製造を行っています。当社は、木質ペレットストーブを単なる暖房機ではなく、心豊かな炎のある暮らしを実現するものだと考えています。石油ファンヒーターのような温度調節機能を搭載するなど機能性に配慮することはもちろん、炎の美しさや、インテリアにマッチするようにデザイン性も追求。メイドイン山形にこだわり、地元山形の企業、そしてデザイナーとコラボレートして開発した「OU(オウ)」は、2019年度グッドデザイン賞を受賞するなどデザイン面でも高い評価をいただいています。
「環境に良いから木質ペレットストーブを使用する」というお客様もいらっしゃいますが、「心豊かな暮らしを実現するアイテムとして木質ペレットストーブを使用する」というお客様が増えることで、結果的に地球温暖化防止に貢献できればと考えています。現在は、家庭用の木質ペレットストーブを3種類、学校や公民館での使用を想定した大型ペレットストーブを1種類のほか、ビニールハウスで利用されるペレット温風暖房機を1種類、ラインナップしています。
石油などの化石燃料ではなく地球に優しいエネルギーの利用を増やすこと、廃棄物の発生を抑えて限りある資源を大切に使うこと、現代に生きる私たちには地球環境に配慮した生活が求められています。創業以来、農機関連機器を扱い自然と共生するための製品やシステムを開発してきた当社にとって、地球環境の保全は欠かすことのできないテーマです。5年先、10年先を見据えながら、環境に優しい製品の開発・製造に今後も取り組んでまいります。
それまでは廃棄物となっていた、容器や緩衝材に使われていた発泡スチロールを熱減容し、インゴットと呼ばれるポリスチレンの塊に生成。再資源化を目的に開発されたのが発泡スチロール減容機「ハイメルター」です。インゴットは、プラスチック製品の原料となり、文房具などに生まれ変わります。
植物や植物を原料としたバイオマスエネルギーを熱源とした際に排出される二酸化炭素は、木が成長過程に吸収した二酸化炭素と同量となるため、環境破壊には繋がらないという考えを「カーボンニュートラル」と言います。当社では、木質ペレットのストーブを開発。「ものづくり」から環境保全への取り組みを進めています。
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営業職S.E.2022年入社ソリューション事業部 営業部 環境グループ
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技術職M.T.2020年入社ソリューション事業部 技術部 環境グループ
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営業職R.M.2019年入社ソリューション事業部 営業部 環境グループ
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アジアから世界へ。
日本の技術力で途上国に
おける食品ロスを減らし、
生産者の生産性向上に貢献する。
先進国では食べ残しや賞味期限切れなど「消費」ができないことで食品ロスが発生しますが、途上国では機械化されていないことによって適切な乾燥調製ができず、「生産」と「収穫後」に多くの食品ロスが発生しています。世界には、機械化の進んでいない国や地域がまだ多くあります。当社は日本の技術力を活かした製品開発を行い、より多くの国で私たちの製品を広め、食品ロスの解決と現地生産者の生産性向上に取り組んでいきます。
世界三代穀物の一つである「米」。そのほとんどは、アジアで作られその生産量は日本の約60倍です。当社は1980年代から、主に精米関連機器の海外への販売をスタートし、韓国、台湾、中国、アメリカ、ウルグアイへ輸出しています。その後、2012年には中国蘇州に「蘇州瑞穂機械有限公司」を設立し、海外向けに販売している穀物乾燥機の製造を始めました。現在、穀物乾燥機は中国をはじめ、フィリピン、インドネシア、カンボジア、ベトナムの5カ国に販売実績があり、そのほかの東南アジア各国にも市場の開拓を進めているところです。また、海外で多く食べられている長粒種と呼ばれる粒が細長い米に対応した精米機についても、フィリピンをメイン市場に販売を進めています。
国際連合食糧農業機関(FAO)の調査では、世界の飢餓人口は約8億人以上とされ、これは9人に1人が飢餓状態であることを意味します。飢えに苦しむ人々がいる一方で世界では毎年約13億トンもの食料が廃棄されており、これは世界全体で生産された食料の1/3もの量となります。食品別では米を含む穀物は廃棄量全体の約30%を占め、毎年4億トンが廃棄されています。日本の米の生産量は年間で約1,000万トン(籾重量)ですので、比較すると約40倍以上の穀物が廃棄されていることが分かります。
食品ロスが発生する原因は先進国と途上国では大きく異なります。先進国では食べ残しや賞味期限切れなど「消費」できず捨てられている一方で、途上国では「生産」と「収穫後」に多くの食料が廃棄されています。
飢餓人口の3分の2を占めるアジア地域の開発途上国は日本と同じく米が主食ですが、米を収穫した後の貯蔵段階で多くの廃棄が起こっています。米は長期保存のために収穫後の乾燥調製が必要ですが、途上国では機械化が遅れているため適切な乾燥調製ができずに腐敗させてしまい、その結果多くの米が廃棄されてしまっています。
途上国の食品生産工程における廃棄を無くすことでより多くの食料を確保することが可能になります。さらに、廃棄される食品が減ることで、生産者の収益も増え、生活基盤の安定につながり、飢餓から抜け出すための一歩となります。
私たちはこれまで乾燥調製技術で日本の食の発展に貢献してきました。そして長年日本で培った技術力を基に、世界の食に合わせた穀物乾燥機と精米機の開発をしています。日本との米の違いや、機械の使用環境の違いで開発には多くの苦労がありますが何度も現場に足を運び、繰り返し試験を重ねて改良を続けています。機械化の進んでいない国や地域はまだ多くあります。これからも製品の性能向上を続けて実績を増やし、より多くの国で私たちの製品を広め、飢餓と食品ロスの解決に取り組んでいきます。
日本の生産者の方々には広く知られている当社の機器ですが、現地での知名度はまだまだ低く、また現地メーカーの製品に比べ高価なため、エリアごとにモデルケースを作り実際に現場を視察していただくなど、堅実に市場拡大を進めています。培ってきた技術力を活かした当社の機器は、食品ロスが非常に少なく、高品質な米になるため、導入いただいた生産者の方々には大変喜ばれています。アジアで実績を積み重ね、世界に山本ブランドを確立していきます。
先進国では食べ残しや賞味期限切れなど「消費」ができないことで食品ロスが発生しますが、途上国では機械化されていないことによって適切な乾燥調製ができず、「生産」と「収穫後」に多くの食品ロスが発生しています。世界には、機械化の進んでいない国や地域がまだ多くあります。当社は日本の技術力を活かした製品開発を行い、より多くの国で私たちの製品を広め、食品ロスの解決と現地生産者の生産性向上に取り組んでいきます。
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