海外向け農業関連機器

日本の技術力で、世界へ安心・安全な「食」を届ける

Goal 2 : 飢餓をゼロに


飢餓に苦しむ人々と、捨てられる食品

国際連合食糧農業機関(FAO)の調査では世界の飢餓人口は約8億人以上とされ、これは9人に1人が飢餓状態であることを意味します。飢えに苦しむ人々がいる一方で世界では毎年約13億トンもの食料が廃棄されており、これは世界全体で生産された食料の1/3もの量となります。食品別では米を含む穀物は廃棄量全体の約30%を占め、毎年4億トンが廃棄されています。日本の米の生産量は年間で約1,000万トン(籾重量)ですので、比較すると約40倍以上の穀物が廃棄されていることが分かります。

途上国の食品ロスは生産と収穫後の貯蔵で起きている

食品ロスが発生する原因は先進国と途上国では大きく異なります。先進国では食べ残しや賞味期限切れなど「消費」できず捨てられている一方で、途上国では「生産」と「収穫後」に多くの食料が廃棄されています。

飢餓人口の3分の2を占めるアジア地域の開発途上国は日本と同じく米が主食ですが、米を収穫した後の貯蔵段階で多くの廃棄が起こっています。米は長期保存のために収穫後の乾燥調製が必要ですが、途上国では機械化が遅れているため適切な乾燥調製ができずに腐敗させてしまい、その結果多くの米が廃棄されてしまっています。

途上国の食品生産工程における廃棄を無くすことでより多くの食料を確保することが可能になります。さらに、廃棄される食品が減ることで、生産者の収益も増え、生活基盤の安定につながり、飢餓から抜け出すための一歩となります。

出典:国際連合食糧農業機関(FAO)「世界の食料ロスと食料廃棄(Global Food Losses and Food Waste)」2011年

グラフ:地域別、フードサプライチェーンの各段階で発生したロス・廃棄量の当初生産量に占める割合(穀物)

天候に左右されてしまう米の乾燥調製

機械化が進んでいない地域では地面に米を広げ、天日干しによって乾燥しています。しかし、この乾燥方法では急な雨で米が濡れてしまう場合もあり、悪天候が続くと乾燥が進まずに米を腐敗させてしまいます。晴天の場合でも、地面の温度が高くなれば急速に乾燥が進むため、米が割れてしまい、品質の悪い米になってしまいます。機械化が進めば、安定した適切な乾燥調製により食品ロスを減らし、質の高い米を生産することが可能になります。私たちはアジアの米生産の現場で実際に天日干しされている光景を目の当たりし、当社製品を普及させることで、捨てられる米を少しでも減らしたいと強く感じました。

日本の技術力で食品ロスを減らしたい

私たちはこれまで乾燥調製技術で日本の食の発展に貢献してきました。そして長年日本で培った技術力を基に、世界の食に合わせた穀物乾燥機と精米機の開発をしています。日本との米の違いや、機械の使用環境の違いで開発には多くの苦労がありますが何度も現場に足を運び、繰り返し試験を重ねて改良を続けていきます。

アジアでは生産者個人が機械を所有することは少ないため、大型の乾燥調整施設を中心に販売を進めています。機械化の進んでいない国や地域はまだ多くあります。これからも製品の性能向上を続けて実績を増やし、より多くの国で私たちの製品を広め、飢餓と食品ロスの解決に取り組んでいきます。


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