Goal 2 : 飢餓をゼロに
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農林水産省によると、2010年に約260万人いた日本の農業就業人口は2018年には約175万人まで減っており、農業従事者の年齢構成についても、2010年には65歳以上が全体の約6割だったのに対し2020年には全体の約7割を占め、平均年齢は65.8歳から67.8歳まで上昇しています。日本の農業就業人口は1985年時点の346万人から一貫して減少傾向が続き、農業従事者の高齢化はゆるやかではあるものの着実に進んでいます。
こうした農業従事者の減少と高齢化が進むなか、これからも耕地面積を維持していくためには、一人ひとりの労働負担が増えざるを得ません。このままでは日本の農業を持続すること自体が難しくなってしまう恐れがあります。
出典:農林水産省「農業センサス」「農業構造動態調査」「農業労働力に関する統計」
では、新たに農業を始める人はどれくらいいるのでしょうか? 2018年の新規就農者数は5万5800人となっており、年によってばらつきはあるものの、2010年以降は毎年6万人前後で推移しています。年齢構成を見ると、2018年の新規就農者数5万5800人のうち49歳以下は1万9200人となり、全体の約35%を占めています。
また、農業を営むのは個人農家だけではありません。法人化し事業として農業を行う法人経営体は、2005年の8700法人から2015年には1万8857法人と約2.5倍になっており、2015年以降も増加傾向が続いています。農業就業人口自体の減少に対して耕地面積の減少率はごくわずかであることから、一経営体当たりの耕地面積が徐々に増加し、大規模化していることが分かります。持続的な農業を維持するために、国も農業の大規模化を推進しています。
このように私たちの食卓は、様々な経験年数、様々な規模の農業従事者によって支えられています。
当社は1918年から農業関連機器を製造・開発してまいりました。あらゆる農業従事者が安心して当社製品をお使いいただくために、これまでよりも「より使いやすく」「より負担を減らす」製品開発をしていく必要があります。
例えば、米作りにおいては稲刈りのシーズンに米を刈り取り機械乾燥させる作業が必要になりますが、夜中でも機械が動いているため進捗状況や機械の状態を確認する必要があります。そのため特に高齢者の方には大きな負担となっていました。また、長年農業に従事されてきた方々は、個々の経験に基づいた独自の機械操作を行っている場合が多く、そのノウハウは新規就農者が習得するまでには多大な時間を要します。こういった負担やノウハウ取得に時間がかかるという問題について、私たちはAI(人工知能)・IoT(あらゆるものがインターネット経由で通信すること)などの、次世代農業のあり方を提案することで解決できるのではないかと考えます。
2018年、当社はAIを搭載した穀物乾燥機を業界で初めて販売しました。穀物乾燥機自らが学習し最適な乾燥作業を自動で行うため、誰が操作しても安定した品質に仕上げることができ、新規就農者や高齢者の負担軽減につながります。さらに、お手持ちのスマートフォンなどのデバイスと穀物乾燥機をインターネット経由で繋ぐことで、機械稼働中のエラー情報をメール受信することも可能になり、どこにいても乾燥状態を確認することができるようになりました。
今後は、農業の経験や知識が少ない人のために、AIを活用して技術やノウハウをデータ化し、提供していければと考えています。様々な経験をデータ化し共有することにより、誰でも短時間で品質の高い生産ができるようになれば、人材不足の解消にも繋がるはずです。