Goal 7 : エネルギーをみんなに そしてクリーンに
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世界中で食べられている米や麦などの穀物の多くは、収穫後に機械や日光等で水分を飛ばし、十分に乾燥させてから保存されています。日本で生産された米や麦は、多くが穀物乾燥機を使用して乾燥されています。穀物乾燥機は、化石燃料である灯油を燃焼させて作った暖かい空気を、ファンで穀物に当てることで乾燥させる構造のものがほとんどです。
米を生産する過程を詳しくみると、乾燥工程で最も二酸化炭素を排出しています。その割合は全工程中の47%にもおよび、田圃1,000m2(10a)あたり37.39kgの二酸化炭素を排出する計算になります。
出典:農業環境技術研究所福原ら「地球温暖化対策技術の評価及び評価手法の開発に関する研究」
ではなぜ穀物には乾燥が必要なのでしょうか。収穫した米や麦などの穀物には水分が多く含まれており、刈取後数時間で品質低下やカビ、腐敗等が発生してしまい、そのままでは長期保存が出来ません。長期間保存をする為には、必ず乾燥させることが必要になります。機械を使わずに、田んぼで天日干しにて乾燥させる「はざがけ」という方法もありますが、手で稲を刈らなければならないため手間が非常にかかります。また「はざがけ」は刈り取った稲が直接雨風に当たり、乾燥具合が天候に左右されてしまうため、多くの米農家では穀物乾燥機が使用されています。
さらに乾燥後も籾摺・米の選別・計量などの過程で機械が使用され、食卓へ安定しておいしい穀物が届きます。現在機械を稼働するのために化石燃料と電気が必要ですが、当社ではこれまでも乾燥作業における環境負荷を減らすべく商品開発・改良に取り組んできました。例えば、最新の当社独自のAI搭載型遠赤外線乾燥機は、灯油の消費量が以前の機種と比べ最大15%、消費電力は最大35%削減可能となりました。
当社製品には累積攪拌乾燥貯留装置「スタアデポ」という、乾燥も貯留もできる大型の機械があります。「スタアデポ」は大型の穀物乾燥機に比べ5倍以上の容量があり、灯油の使用量は1/3ですみ、電気の消費量も少なく、風だけでも穀物を乾燥できる特長があります。「スタアデポ」は、地球環境にも穀物にも優しい自然な乾燥を実現することができます。
さらに、穀物乾燥機は屋内に設置する必要がありますが「スタアデポ」は屋外にそのまま設置可能なため、新たに建物を建築する必要がありません。また「スタアデポ」と同じ容量分の穀物乾燥機を複数設置するよりも、設備コストやランニングコストがかかりません。(別途基礎工事、ピット工事、送風機室工事、搬送設備等が必要になる場合があります。)
農地の集約化、作付面積の拡大に伴い、農業従事者の業務負担は日に日に増しています。そんな中「スタアデポ」が選ばれる機会が増えています。都度穀物乾燥機で乾燥していると、乾燥後の籾摺りや袋詰め等の工程も一気に行わなければならないため、時には夜通し作業をする場合もあります。一方で「スタアデポ」には貯留機能があるため、一度穀物を貯留しておくことで、作業時間に余裕を持つことができ、自分のペースで作業を進めることができるからです。このように「スタアデポ」には働く人へかかる負担を軽減できるメリットもあります。