開発への思い - 山本製作所 環境関連機器事業

“一隅を照らす”
モノづくりManufacturing to light up a corner

これまで廃棄されていたものを資源と捉え、
廃棄物を出すことなく資源を循環させる
「サーキュラーエコノミー」という考えが注目を集めています。
しかし、そこで大きな役割を果たす静脈産業(※)は、
世間の関心は決して高くなく、
多くの企業が人手不足に悩んでいるというのが実情です。
モノづくりを通し、この業界にスポットライトを当てて良い変化を起こしたい。
それが私たち山本製作所のつくる環境機器全てに込められた思いです。

※製造業など製品を生み出す「動脈産業」に対して、その廃棄物を回収して再生・再利用、
処理・処分などを行う産業は、人間の血液の循環に例えて「静脈産業」と呼ばれています。


3つのコンセプト

私たちは、この思いをかたちにするために、
3つのコンセプトに基づいてモノづくりに取り組んでいます。


CONCEPT 01

良質なリサイクル原料をつくる

実需者である
再生事業者の声に耳を傾ける

私たちには2種類のお客様がいます。それは、当社製品のユーザーと、当社製品でつくられたリサイクル原料を購入する再生事業者です。円滑な資源循環を実現するためには、単に廃棄物を処理できればいいというのではなく、バトンを受け継いでくれる再生事業者の視点を忘れてはいけません。彼らに優先して選ばれる良質なリサイクル原料をつくることは、 関わる人たちのやりがいや誇りの醸成にもつながります。私たちは、国内外の再生事業者を直接訪問し、「どのようなリサイクル原料が再商品化しやすいか」意見を伺い、製品開発に活かしています。

良質なインゴットを生む、
独自の技術

発泡スチロールは98%が空気です。使用済み発泡スチロールを効率的に運搬するには空気を除去する必要があり、それ自体は高温で長時間熱を加えることで達成できます。一方、発泡スチロールは熱を加えすぎると熱劣化してしまい、リサイクル原料としての利用用途が限られてしまいます。
私たちはこの相反する問題を解決するため、適正な減容率と最小の熱劣化を実現する独自のスリット式のヒーター形状(特許取得)を開発しました。スリット式のため原料との接触面積が増え、通過する原料への伝熱効率が大幅に向上。さらに、原料はヒーター部を通過する短時間しか加熱されないため、熱劣化が極力抑えられたリサイクル原料になります。

適正な前処理で、
効率的なリサイクルに貢献する

ペットボトルリサイクルにおいては、ラベルやキャップ・リングなど不純物の少ないリサイクル原料が求められていますが、既存製品は大規模向けでシステム化されたものがほとんどでした。そのため、再生事業者が集めるリサイクル原料には不純物が多く、製品歩留まり低下の一因となっています。
コンパクトで既存ラインに組み込みやすいペットボトルラベル分離機は、ラベル剥離前の穴開け工程でペットボトルを一定の形状に整えるため、丸ボトル・プレスボトルどちらの形状でも無調整で投入が可能。発生元に近い中小規模の現場で、事前に不純物の除去・減容することで、後工程の再生事業者に喜ばれる効率的なリサイクルに貢献します。

CONCEPT 02

全ては、安全で快適な作業のために

そこで働く
作業者にやさしいモノづくり

静脈産業においても、シニアや女性の活用、働き方改革の実践など、働きやすい職場環境の実現は喫緊の課題です。
私たちは、静脈産業を支えているのは現場で働く「作業者」だと考えます。私たちの最優先事項は、製品を通して大切な人材である作業者に安全で快適な職場環境を提供すること。そこで働く作業者にやさしいモノづくりは、お客様がステークホルダーの信頼を集め、事業を継続的に発展させる一助になると信じています。

静脈産業の「安全」を
つくる使命感

私たちの製品は、自動車業界や電気機器業界など大手企業にもご使用いただいています。その導入の際、作業者の「安全」について厳格に対応される姿に感銘を受け、動脈産業の先進的な取り組みを静脈産業へ展開することも私たちの使命だと考えました。
静脈産業は各業種に比べて労働災害の発生頻度が圧倒的に高く、建設業や運送業以上に危険と隣り合わせです。また、労働災害のうち機械設備に起因するものが約1/4を占めています。私たちは、製品開発段階からリスクアセスメントを実施し、通常使用時だけでなくメンテナンス時においてもリスク低減を考慮した設計をしています。

ストレスの無い
快適な作業環境を実現

当社製品は、操作部を作業者および管理者が操作できるスイッチにそれぞれ区分することで、作業者側ではシンプルな操作盤面と非常停止ボタンでの簡単操作を実現し、管理者側では原料に応じた設定変更や各部手動運転が行えるようになっています。
発泡スチロール減容機においては、作業前の暖機運転時間が5~15分と短く、循環冷却機能を標準装備しているため、水に浸漬するなどしてインゴットを冷却する必要はありません。
また、作業中はほぼ全ての臭気を脱臭ブロワで吸引することで、臭気濃度を極めて低い数値に抑えていますので、ストレスの無い快適な作業環境を実現します。

CONCEPT 03

デザインへのこだわり

働く人が、誇りと愛着を
持てる製品を

お客様の中には「環境機器にデザインは不要」と考える方もいらっしゃると思います。しかし、現場で働く人にとってはどうでしょうか。誇りと愛着を持てる優れたデザインの製品は、働きがいを生み、機器を大事に使用することにもつながります。
機能性や安全性を重視しながらスマートなデザインに。細部や各部の色にこだわり、重厚感のあるシンプルな機械を演出しました。良いデザインには、人や職場を元気にする力があると信じています。

伝えたいことを、
効果的に伝えるために

海洋プラ問題に端を発する世界的な脱プラスチックの動きにより、「プラスチック = 悪」というイメージを持つ人は少なくないかもしれません。
その一方で、食品容器や洋服・家電・自動車・建設資材など、プラスチックは私たちの暮らしに欠かせないものになっています。本当の問題は、プラスチックの多くが使い捨てされており、適切にリサイクルされていないということではないでしょうか。
「プラスチックは私たちの暮らしに欠かせないこと」
「一口にプラスチックと言っても様々な種類があること」
「種類ごとに分けることが適切なリサイクルにつながること」
プラスチック材質判別装置(ぷらしる)のプロモーションを通して、一般消費者に広く知ってもらうために、地元山形県で活躍するデザイナーを起用。製品紹介PVなど、思わずシェアしたくなるものを目指しました。


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