導入事例 - 山本製作所 環境関連機器事業

コンパクトで持ち運びしやすく、誰でも簡単に使える「ぷらしる」の導入で、1/3の時間で材質判別できるようになりました。

用途

リサイクル原料の材質確認など

業種:リサイクル業者

導入製品:プラスチック材質判別装置 ぷらしる

型式:PI-100

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1963年(昭和38年)、高度経済成長期に創業した同社は、大量生産・大量消費が当たり前だった時代に、「資源の活用を通じて社会に貢献する」という大きなテーマを掲げてプラスチックリサイクルに取り組み始めました。
それから半世紀以上にわたりプラスチックリサイクルに取り組んできましたが、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法といった資源リサイクルを促進する法律の制定や、消費者のリサイクルに対する意識の芽生えもあり、同社は全国に事業を拡大。現在では、「リサイクルプラスチックの製造・販売なら同社」という地位を築いています。
 
 プラスチックのリサイクル現場、特にマテリアルリサイクルにおいては、排出されたプラスチック廃棄物の種類(材質)を把握して管理することが非常に大きな意味を持ちます。種類の異なるプラスチックが混在した状態で中間処理や再生処理をした場合、製造されたリサイクルプラスチックの物性が不安定となり、需要家の要求する仕様や水準を満たすことが困難となるからです。
 同社の担当者様曰く「20年前はプラスチック製のパレットやカゴの受け入れが多く、熟練作業者が見た目やにおいで材質を判別することが多かったが、燃やしたにおいを嗅ぎすぎて頭が痛くなることもあった」そう。その後、廃棄物に占める家電の割合が増加し、排出元から「どのように材質を判別し、リサイクルしているのか」科学的根拠が求められるようになりました。そこで同社は、FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)によるプラスチック材質判別装置を導入しましたが、据え置き型のため気軽に現場に持ち込んで使用することはできませんでした。

そのような状況の中、同社がぷらしるの存在を知ったのは2018年のNEW環境展。山本製作所のブースにて、「ハンドリングの良いプラスチック材質判別装置があれば…」とご相談いただいた当時、山本製作所ではぷらしるのプロトタイプが完成したところで、多種多様なサンプルが集まるモニターを探しているところでした。お互いのニーズは合致し、同社での1年以上のユーザーテストを経て、完成したのがプラスチック材質判別装置「ぷらしる」です。
同社をはじめとした多くのリサイクル業者に材質判別装置に求める要素をリサーチした結果、「未経験でも簡単に使える」「コンパクトで持ち運びが容易」「安価」という意見が大半でした。そこで、センサ部は直感的に保持方法が理解でき、片手で操作しやすい大きさ・重量を追及。日本人の手幅や手指の長さを解析し、3Dプリンタを用いた試作と同社でのテストを繰り返すことで、多様なユーザーを想定した形状を導き出しました。また、様々な現場を想定し、防水・防塵性能を備えた耐久性も確保。判別結果を表示するタブレットには汎用品を採用し、判別ソフトをスマホアプリ化することで直感的に操作できるUIと低コストを両立させました。ソフトの判別精度と操作性も、同社でテストを重ね、調整を繰り返すことで完成度を高めました。

現在、同社では埼玉県内の工場にて、主にプラスチック製のパレットやカゴ等の材質判別にぷらしるを活用しています。ぷらしる導入前は、熟練者が叩いた打音で材質を判別していましたが、ぷらしるを使うことで誰でも・簡単に・同じ基準で判別できるようになった上、「1/3の時間で作業を完了することができるようになった」そうです。

SDGsという概念の普及により、同社には様々な企業からプラスチックリサイクルに関する相談が増えています。同社の担当者曰く「将来的には排出元や一般消費者など、より川上に近い場所での分別が求められるようになるだろう」とのことで、これまで以上にぷらしるのような簡便なプラスチック材質判別装置が求められる時代になると考えています。

ぷらしるで判別している様子1

ぷらしるで判別している様子2

ぷらしるで判別している様子3


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