山本製作所を代表する製品、穀物乾燥機。
その歴史は、今から半世紀以上前にさかのぼります。
「もっと便利な製品を」 「お客様の負担を軽減したい」 「農業に新しい風を」
さまざまな技術者の想いとお客様の夢が詰まった、山本の穀物乾燥機。
その年、その時代で山本の技術を結集した乾燥機の歴史をぜひご覧ください。
1957年(昭和32年)頃、山本製作所初の乾燥機の開発・試作が始まりました。
1959年(昭和34年)にヒナ型が作られ、一般市販されるのはそれから間もなくでした。当時の乾燥機は乾燥箱、送風機、バーナ(熱源)で構成されています。
バーナを内臓し、特殊ファンやスローワ付きで高い性能を発揮。
農作業の省力化に伴い、1坪型(5.5石)程の容量では容量不足となり、10石〜15石という大型のものが普及し始めたことに対応し、誕生しました。立形乾燥機は、平形乾燥機と違い通風部を立ててあり、設置面積を小さく、容量を大きくすることができるのが特長で当時は画期的な製品でした。
立形乾燥機を基に乾燥部と貯留部から成り、循環方式を備えた乾燥機。低温大風量、シャッタドラムによる間欠循環方式など、当社乾燥機の特長を形作った機械の登場です。
吸引送風機のみでバーナの安定燃焼と、排湿を両立した乾燥機。
正逆転機能を備えたシャッタドラムで均一に循環し、大きな問題だったムラ乾燥を防止することに成功しました。
自動消火装置、電子自動温度制御装置やオプションの水分センサを備え「乾燥する」だけではなく、使用するお客様の安全性にも配慮し快適に乾燥することを追及しました。
「これまでの乾燥機にこだわらない、新しい発想で開発をしよう」。その言葉通り操作盤、本体、昇降機、均分機、バーナ、排塵機、水分計などをユニット化し、各部にモータを配した新しい乾燥機が設計されました。メーカーとして、設置場所までの運搬・組立が容易にできることや整備性が考慮された設計を考案。ガンタイプバーナにより温度制御が細やかになり、ワイドホッパやオンオフを組み合わせられるプログラムタイマの新搭載で、作業性や操作性も向上しました。後にメモリカードで、乾燥制御プログラムを変更出来るようになったのもこの頃です。
シンプルで高性能を目指した乾燥機が登場。25石から45石までの幅広いシリーズで、45石でも2kWの電力で乾燥できるようになりました。
バーナの熱を効率よく使える外熱風方式、省スペースで設置できることを特長とし、上部スクリュー掃除を自動でできる機能も装備されました。
農業機械等緊急開発事業によって、乾燥機メーカー5社と共同開発。現在の乾燥機の主流となる遠赤乾燥機が登場。バーナから出た熱で遠赤外線放射体を加熱することで、遠赤外線を放射し効率よく乾燥することを可能にしました。同型熱風機との比較では灯油、電気の使用量が少なく、騒音低減に繋がり、自然に近い乾燥で良食味になるという高評価を得ることができました。
「高い信頼性で低コスト農業に貢献する、高機能次世代乾燥機」として、現在の山本乾燥機を代表するハイパー乾燥機Windy(ウインディ)シリーズが誕生しました。
どなたさまでも使い易いユニバーサルデザインを目指し、湿度センサを用いて安定した乾燥速度になる制御を搭載。さらに全高を低くした設計で、設置性を向上し、よりお客様に寄り添った乾燥機となりました。Windy(ウインディ)は「wind(風)」と「WIN(勝利)」の意味をかけて命名されています。
このWindy(ウインディ)シリーズから、山本独自のラベンダーミルク(薄紫色)での塗装を開始しました。
株式会社サタケとの包括的提携契約に伴う共同開発プロジェクトで誕生したWindy NEXT(ウインディネックス)シリーズ。ムダな電力と灯油消費を抑えた設計が特長です。送風機をインバータで制御し、張込量や水分量にあった最適な風量で乾燥することを可能としました。
後に、目視で確認し設定が必要だった穀物量を自動検出し、ボタン一つで最適な乾燥ができるよう改良。手間や作業ミスをなくした機能は、お客様より大変好評を得ました。